今月の料理(十月)_芋の茎
この食材を一目見てすぐわかる方はかなりご年配の方か、お料理に興味がある方でしょう。これは里芋の茎です。ズイキとか芋がらなどと呼ばれています。紅い茎は八つ頭の茎で、白いのもありますが、これは遮光して育てたものです。通常の里芋の茎は緑色をしています。
収穫するときこの芋の茎に鎌を入れると、ざっと水が流れ出て驚いた事がありました。切り口を見ると細かな穴が沢山あいていて、スポンジ状になっているのがわかります。
この芋の茎とてもアクが強く、そのままでは食べることは出来ません。一般的には酢水で茹でアクを抜きます。下処理に手間がかかりその割には主菜にもならない食材ですが、ちょっとない食感が魅力です。
今月の料理はこの芋がらに胡桃ソースをかけて頂きます。濃厚な胡桃とさっぱりとした芋がらがとてもよく合います。
【作り方】
芋の茎は蕗と同じようにかわを剥きます。
たっぷりの水を沸騰させ、食べやすい長さに切った芋の茎をいれます。
芋の茎を入れた鍋の湯が再び沸騰したら、浮いている芋の茎をさっと裏返し
て一分ほどたったら笊にあけます。
熱いうちにバットにとり、振り塩のような感じで酢を振り掛け蓋をします。 この時芋の茎から出る水分と、酢が混じりあいきれいな色に仕上がります。酢を掛け過ぎるとすっぱくなり、少ないと色が出ないので、加減しながら熱いうちに調理します。このままですと味が全付いていません。甘酢を作って浸けて置くとかなり日持ちします。
ソースは胡桃を擂ってから、砂糖、塩で味をととのえ、白湯でペースト状にのばします。 この時先の振りかけた酢を少量入れると味もしまり、きれいな色に仕上がります。
【分量】四人前
芋の茎 200グラム(下ごしらえしたもの)
胡桃 30グラム
砂糖 13グラム
塩 少々
白湯または酢 10ミリリットル
醤油 少々
まみどりの葉を巻き込める芋茎かな 善子